爪白癬 水虫菌(白癬菌)が爪に侵入して増殖したものです。色々な形を取りますが、爪の変形で最も多いのが爪白癬です。 (爪白癬の項参照)
爪カンジダ Candida albicansというカビ(真菌)が爪に侵入した状態です。カンジダは湿気を好む菌であり、水仕事が多いヒトがかかり易い傾向があります。 爪の下で、緑膿菌が増殖した状態。抗生剤の内服や外用にて軽快しますが、水扱いの多いヒトでは繰り返す場合があります。
爪下出血 爪の下で出血が起こり、血液が溜まった状態です。新鮮なものは赤く見えますが、古くなってくると茶色から黄色に見えます。自然に吸収されてなくなりますが、長い場合には完治するまでに半年から一年かかる場合もあります。安全靴や登山靴などの硬い靴をはく人に起こり易い傾向があります。
スプーン爪 反り返った爪をスプーンネイルと言います。原因としては、@爪を短く切りすぎる。A指先に力を入れすぎる。B貧血などがあります。爪切りや生活習慣の見直しなどで自然に軽快する場合がほとんどです。 爪甲剥離症 爪の先端が爪床からはがれた状態。爪は爪床にくっ付いている時には透明ですが、剥がれると白くなります。この白い部分が従来よりも広くなった時に爪甲剥離症といいます。若い女性に多いとされますが、病因は不明なことが多く、ネイルケアや接触皮膚炎の関与が疑われています。爪カンジダなどの真菌感染症の場合にはその治療で治ることもありますが、多くは難治です。
爪甲自体が肥厚して厚くなった状態。先天性の肥厚症もあるが、大部分は高齢者の第1趾によくみられます。ほとんどは、靴による慢性的な刺激によって爪甲が厚くなったものです。従って、足の状態に合った靴を選択したり、正しい歩行をすることで改善します。 黒色爪甲 爪が黒く変色する原因は様々です。薬剤の長期使用(ミノサイクリンなど)や一部の抗がん剤で爪が黒ずむことがありますし、指先の接触皮膚炎後に起こる色素沈着のせいで爪が黒くなる場合もあります。ただし、悪性黒色腫(メラノーマ)の20%は爪から起こることが知られており、線状の黒色爪は注意が必要です。 爪甲メラノーマ
バチ状指 指先が膨らんで、爪が指先を包むようにカーブした状態です。基本的には手足、全ての爪が変形します。指先の血流障害が関与する可能性があり、肺疾患(肺癌や慢性気管支炎)や心疾患(慢性心不全)に合併することがあり、全身検索が必要となります。
爪乾癬 尋常性乾癬の患者さんの20〜30%は爪にも病変があることが分かっています。爪に起こった乾癬は爪が厚くなったり、薄くなったり、もろくなったりします。爪白癬や爪カンジダとの鑑別が難しく、体の他の部位に乾癬様皮疹がある場合には爪乾癬の可能性があります。ただし、爪だけに乾癬様病変がある場合もあります。
爪ボーエン 爪の下は、ボーエン病の好発部位の1つです。ボーエン病は、皮膚がんの前駆症状であり、将来的には有棘細胞がんへと進行します。爪にボーエン病が起こった場合には、爪の変形、特に亀裂や爪下出血が認められるのが特徴です。
Glomus腫瘍 血管腫の一種で、爪の根本に起こりやすい腫瘍です。抑えると痛みがあることがあります。爪の変形としては、爪の一部が盛り上がって、線状に変形するのが特徴です。 |