水疱症 全身に水疱(水ぶくれ)ができる病期です。正式には自己免疫性水疱症と言われ、自己免疫疾患の一種です。自己免疫疾患とは、本来は外に向かって働く免疫力が自分に向かってくるために起こります。最も数が多い自己免疫疾患はリウマチです。 水疱症には多くの疾患がありますが、大部分は水疱性類天疱瘡と尋常性天疱瘡の二つです。
水疱性類天疱瘡 緊満性水疱(Tension bullae)を特徴とします。高齢者に多い水疱症であり、高齢化に伴って患者数は増加傾向にあります。水疱性類天疱瘡は、表皮と真皮の境界部の基底層のところにあるBP180やBP230タンパク質に対する自己抗体が作られることによって、そこの接着がもろくなるために水疱を形成します。水疱を形成する前は紅斑で始まり、強い痒みを伴います。時に、内臓悪性腫瘍を伴うこともあるので、全身精査も必要になる場合があります。 治療は、ステロイドや免疫抑制剤などが主体になります。特に初期の治療には大量のステロイド投与が必要になるため、基本的には入院治療の適応になります。
尋常性天疱瘡 弛緩性水疱を特徴とします。類天疱瘡と比べて、口腔内などの粘膜に病変が出やすい特徴があります。尋常性天疱瘡は表皮内の表皮細胞―表皮細胞の横の接着を行うデスモグレイン1,3蛋白に対する自己抗体が作られることで接着ができずに水疱を形成します。類天疱瘡に比べて若年者に発生することもあります。 治療は、類天疱瘡と同様にステロイドや免疫抑制剤が主体になりますので、入院治療の適応です。
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