熊本市中央区の皮膚科 水前寺皮フ科医院 【皮膚科・形成外科・アレルギー科・皮膚腫瘍科・性感染症内科】
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真菌症(癜風、トンスランス、キャニス、スポロトリコーシス)

癜風

Malassezia furfur(癜風菌)による感染症です。癜風菌は、正常人の皮膚に常在していますが、脂分を好む真菌であり、汗をかき易い人で好発します。高温多湿、ステロイド外用、妊娠、糖尿病などの免疫低下が増悪因子となることがあります。誰でも持っているカビであり、他人に移すことはほとんどありません。


臨床:背中や首などの汗をかき易い部位に発生します。やや赤みを伴った境界明瞭な斑点で、落屑を伴います。痒みはほとんど感じません。



背中の癜風


頸部の癜風。境界明瞭な色素沈着と落屑を認めます。




治療:抗真菌剤の外用で完治しますが、完治後も若干の色素沈着を残すことがあります。


予防:汗をかいた後は速やかにシャワーを浴びるなどして脂分を落とします。また、最近は抗真菌剤が配合されたボディシャンプーなども販売されています。




 


トンスランス感染症

Trichophyton tonsuransというカビによる感染症です。20世紀までには日本にはほとんど存在しませんでしたが、21世紀になって日本に入ってきた輸入感染症です。以前は、南北アメリカやヨーロッパで頭皮真菌症(シラクモ)の原因菌として注目されていました。スポーツの国際交流を機会に日本に輸入されたとされています。日本でも2001年以降は、柔道、レスリングなどの直接接触する格闘技選手を中心として流行しています。



臨床:頭部の白癬(シラクモ)として発症することが多いですが、四肢にも好発します。長期間難治の場合にはケルズス禿瘡と同じような脱毛斑になることもあります。



後頭部の落屑と若干の紅斑を認める。




頭部に脱毛斑の多発を認める。




治療:抗真菌剤の外用だけでは、あまり効きません。多発した場合や禿瘡となった場合には抗真菌剤の内服が必要となります。



予防:トレーニング後のシャワー励行が勧められますが、最近は抗真菌剤配合のシャンプーやボディーソープも販売されていますので、予防には効果的です。








キャニス感染症


Microsporum canis(イヌ小胞子菌)というカビの感染症です。イヌ小胞子菌と言われますが、猫、特に子猫が持っていることが多い糸状菌です。ペットを飼っている人に起こりやすい人畜共通感染症です。普通の水虫やタムシのカビとは異なり皮膚の深くまで感染するので、治りにくいのが特徴です。特に、頭に感染した場合には毛嚢まで入り込み毛が抜けてしまうことがあります(ケルズス禿瘡)。


臨床:全身どこでも感染しますが、頭部に起こると禿になります。


眉間の境界明瞭な紅斑および落屑


頭部の脱毛斑。落屑と紅斑を認めます。


毛髪周囲および毛髪内にも糸状のカビを認めます。


治療:塗り薬でも効きますが、毛穴に入ってしまった場合には抗真菌剤の内服をしないと完治しない場合が多いです。また、飼い猫も一緒に治療しないと再び感染を起こすことがあります。


スポロトリコーシス

日本で最も頻度が高い深在性真菌症であり、Sporothrix Schenhiiの感染によります。基本的には土壌中に存在する真菌であり、外傷をきっかけとして感染します。そのために好発部位は上肢となります。ただし、外傷歴がはっきりとしないことも多いとされます。深在性真菌症は皮膚以外にも感染することがあり、場合によっては内蔵器官や脳への感染も起こりえます。一般的には、リンパ管を通して播種(転移)するために、上肢では、飛び石状に皮下腫瘤が多発することもあります。


臨床:皮膚結節として起こることが多いが、場合によっては表面が潰瘍化することもあります。


手の結節を認めます。表面は潰瘍状になっています。



指先に治っていない外傷を認めます

前腕に線状に皮下硬結が並んでいます。スポロトリコーシス(カビ)の播種疹です。

治療:深在性のために、基本的には外用剤は無効のことが多く、抗真菌剤の内服が必要ですが、免疫不全下にある場合には難治です。


 



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