| <原因> | |
|
副腎皮質ホルモン(ステロイド)外用剤の長期塗布によって起こります。 ステロイド外用剤は接触皮膚炎やアトピー性皮膚炎などの炎症性皮膚疾患の治療にはなくてはならない薬です。 ただし、長期間塗り続けると、皮膚が菲薄化したり赤くなったりして痒みや易刺激感を生じます。 特に、顔にステロイドを長期間塗ると酒さ様皮膚炎と言われる赤ら顔になります。 ステロイドは、その効力によってI群〜V群に分けられますが、一般的にはIII群以上のステロイドを連用すると一カ月程度でステロイド皮膚炎になるとされます。 また、ステロイド外用により真菌(カビ)やダニ(ニキビダニ)が皮膚で増殖する場合があります。 |
|
|
|
| <治療> | |
|
酒さ様皮膚炎はステロイドの長期連用が原因のため、その治療にはステロイドを止めることが必要です。 ただし、ステロイド外用を突然、止めると激しい離脱症状がおこります。 そこで、塗るステロイドの強さを弱くしたり、塗る回数を減らすことで(Tapering)、 ステロイドから離脱していきます。 ステロイド外用剤を止める時には、ステロイドの内服、抗アレルギー剤の内服などを併用します。一般的にはステロイド皮膚炎を作った(ステロイドを顔に塗った)期間の1.5倍〜2.0倍程度の治療期間が必要になります。 |
|
|
|
|
脂漏性湿疹 病因: 顔には毛が生えていますが、毛は毛嚢といわれる嚢に入っています。この毛嚢には脂腺が付属しており、脂腺から皮脂が分泌されます。皮脂が皮膚の表面をコーティングすることでヒトの皮膚は細菌やウイルスの侵入を防いだり、様々な障害をブロックしています。 ![]() ![]() ![]() なお、皮脂腺の動きは栄養状態やホルモン分泌などに左右されます。成長期にニキビが悪化するのは成長ホルモンによって脂腺の動きが活発になり、皮脂が過剰に分泌されるためです。この皮脂腺の動きは個人差が大きく、過剰に皮脂が分泌されると脂性(あぶら性、Oily face)になります。さらに、皮脂には様々な栄養分が含まれており、細菌や真菌が増えることがあります。特に、Malassezia furfur(マラセッチア、癜風菌)が増殖すると赤みが強くなり、炎症が起こり、脂漏性皮膚炎になります。さらに、増悪すると酒さ(しゅさ)を言われる状態に陥ることもあります。 治療: @ 外用(塗り薬) (ア) 抗真菌剤:増えた真菌に対する治療を行います。 (イ) 副腎皮質ホルモン:炎症のため赤くなった顔には効果的ですが、長期間(2週間以上)連続して塗り続けると赤みが強くなったり、ダニが増えたりして、酒さ様皮膚炎を引き起こすことになります。 (ウ) タクロリムス軟膏 (エ) メトロニダゾール(ロゼックス®)軟膏 A ビタミン剤の内服 ビタミンB2,B6は脂腺の活動を抑制します。反対に、ビタミンB12は脂腺の活動を活発にします。 B 漢方薬:十味敗毒湯や清上防風湯などが効果的な場合があります。 C 洗顔:皮脂を洗い落とすことが大切です。
D 規則正しい生活 過度のアルコール摂取や喫煙は脂漏性皮膚炎を悪化させます。また、睡眠不足の場合にも悪化する傾向にあります。バランスの取れた食事を行い、十分な睡眠をとるように心がけましょう。 |
|
|
酒さ(しゅさ) 病因 酒さの原因は基本的には不明です。30〜50歳の中年期以降に起こりやすい疾患であり、顔の赤みや皮脂の増加が特徴です。 その進行度によって、I期からVI期の分けられます。 I期: 頬や鼻の皮膚が紅くなります。ほとんど自覚症状はありませんが弱い痒みを伴うことがあります。 II期: 皮膚が紅く腫れて、表面では拡張した血管が増えています(毛細血管拡張)。 III期: 赤い吹き出物が出現して、膿が付着したようになります。成人のニキビに似ていますが、細菌感染は伴いません。 IV期: 鼻周囲の皮膚が厚くなり、鼻全体が盛り上がって瘤のようになります(鼻瘤)。 診断 視診で診断します。ただし、ステロイドを長期間塗って作られた酒さは、酒さ様皮膚炎として酒さとは区別して考えます。 ![]() ![]() ![]() ![]() 鑑別疾患 脂漏性湿疹、尋常性ざ瘡(にきび)、膠原病(SLE,DM)、サルコイドーシス、湿疹など 治療 酒さの原因は基本的には不明であり、治療は対症療法になります。 @ 抗生剤(ミノサイクリン、ドキシサイクリン、ニューキノロン系抗生剤など)内服。 A 漢方薬:十味敗毒湯、清上防風湯など B ビタミンB2,B6内服 C メトロニダゾール軟膏(ロゼックス®軟膏) D 副腎皮質ホルモン外用。ステロイドは初期の紅斑などには効果的ですが、長期間継続して使用するとステロイド酒さを引き起こすことになるで、使用には注意が必要です。 E タクロリムス軟膏:保険適応外 F コレクチム®軟膏:保険適応外 G モイゼルト®軟膏:保険適応外 H アゼライン酸配合軟膏:医薬部外品 |
|