熊本市中央区の皮膚科 水前寺皮フ科医院 【皮膚科・形成外科・アレルギー科・皮膚腫瘍科・性感染症内科】
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尋常性ざ瘡(ニキビ)

<ニキビはどうしてできるのか?>
ヒトの皮ふには毛が生えていますが、毛の周囲には皮脂腺といわれる皮膚の油を出す分泌腺が存在しています。この皮脂腺が皮膚の表面に皮脂を供給することで皮膚はしっとりときれいな状態を保つことができますし細菌やウイルスの侵入を防ぐ役割もしています。自動車のワックスと似た機能を持っています。この皮脂腺の動きは、環境変化や喫煙などの影響を受けますが、最も大きな影響を与えるのがホルモンです。つまり、思春期になり、性ホルモンの分泌量が増えると過剰の皮脂が産生され、毛穴を塞いでしまうことがあります。すると、毛穴で細菌が増殖して化膿した状態に陥ります。このような理由でニキビは思春期に多い病気となります。

また、ホルモン剤などの一部の薬剤を内服している場合には成人でもニキビの悪化がみられることがあります。
ただし、ニキビのできる理由はホルモンだけではなく、精神的なストレス、不規則な生活や食生活にも関係しています。
<ニキビの種類>
ニキビには毛穴が化膿した赤ニキビ、毛穴が塞がっただけの白ニキビ、皮脂が酸化されて毛穴が詰まった黒ニキビがあります。
<ニキビの重症度>
日本皮膚科学会尋常性ざ瘡治療ガイドラインでは、ニキビの重症度を片顔面の炎症性皮疹(赤ニキビ)の数によって規定しています。
<ニキビはどうやって治すのか?>
ニキビの治療は、その状態(急性炎症期〜維持期)によって異なります。どんなニキビにも効く薬はありません。皮膚の状態によって治療方法を変えていくことが重要です。
日本皮膚科学会は尋常性ざ瘡治療ガイドラインを発表しています。
その中では、急性炎症期と維持期においては、治療法が異なることを提案しています。
<急性炎症期の治療>
赤ニキビの状態は、基本的にはニキビ桿菌が毛穴の中で増殖して炎症が起こった状態です。
ところが、不適切な治療によってニキビ桿菌だけではなく、カビやダニが増殖
したような赤ニキビもあります。炎症が強い場合にはダニやカビが感染していないかをチェックする必要があります。また、急性期のニキビには1カ月〜3カ月の治療を必要とします。根気強く治療を続けましょう。

1、抗生剤内服:ビブラマイシン、ミノマイシン、ロキシスロマイシンなどの内服が必要になります。
2、ビタミン B2,B6内服:皮脂腺の動きを調整する効果があります。ただし、ビタミンB12は皮脂腺の動きを活発にしますので、総合ビタミン剤の内服には注意が必要です。
3、漢方薬内服:ニキビには清上防風湯、桂枝茯苓丸、十味敗毒湯、当帰芍薬散、当帰芍薬散、加味逍遥散などが使われますが、個人差が大きくニキビ全般に効くわけではありません。
4、抗生剤の外用:クリンダマイシンゲル、ナジフロキサシンローションなど
5、ディアックゲル、べピオゲル、ディフェリンゲル外用
<維持期の治療>
白ニキビの状態での治療は、洗顔や生活習慣の調整などでニキビを化膿しないように治療する必要があります。

1、ビタミン B2,B6内服
2、漢方薬内服:ニキビには清上防風湯、桂枝茯苓丸、十味敗毒湯、当帰芍薬散、当帰芍薬散、加味逍遥散などが使われます。
3、べピオゲル、ディフェリンゲル、エピデュオゲル外用

<最近のニキビ治療薬の進歩>
日本におけるニキビの治療薬は、長年、抗生剤の飲み薬と塗り薬しかありませんでした。
それが、2008年のレチノイド製剤、2015年の過酸化ベンゾイル製剤の発売によりニキビ治療は一変しました。
レチノイド製剤:アダバレン、商品名:ディフェリンゲル
レチノイドはビタミンAの1種であり、表皮(皮膚の最外層)の角化を調整する働きがあります。表皮を作る細胞(ケラチノサイト)は、基底層→有棘層→顆粒層→角質層と変化していきますが、ニキビでは角質層が異常増殖を起こして毛穴を塞いでしまうことが発生の一因です。そこで、レチノイドを塗ることで顆粒層→角質層の動きを調整して角栓を作らないようにする働きがあります。ただし、炎症をとる働きはありませんので、炎症を起こしたニキビ(赤ニキビ)にはあまり効果がありません。一旦、炎症が落ち着いたニキビの再発予防に主に使います。
注意点:塗った後に、発赤・熱感・刺激感(ピリピリした感じ)・乾燥肌などを引き起こす可能性があります。また、ビタミンAであるため、妊婦さんは使用できません
過酸化ベンゾイル製剤:商品名 べピオゲル、エピデュオゲル
過酸化ベンゾイルは有機溶剤の一種で、酸化作用を持ちます。そのフリーラジカルがアクネ菌や黄色ブドウ球菌に作用して殺菌します。抗生剤とは異なり、耐性菌が生じにくく、長期間に渡る使用が可能です。さらに、皮膚の表面の角質を剥がれやすくするピーリング効果もあります。

使用上の注意:過酸化ベンゾイルは酸化剤であり、紫外線に当たると色素沈着(シミ)を作る可能性がありますので、夜に1回だけ塗るようにします。漂白作用がありますので、衣服などに付くと色落ちする可能性があります。また、皮膚への刺激症状があり、「皮膚の表皮がはがれる」、「粉をふく」、「刺激感」、「ヒリヒリ感」、「皮膚の赤み」、「乾燥」などを訴える場合があります。さらに、2〜5%の人には接触皮膚炎(アレルギー)を起こす可能性があります。
イソトレチノイン(アキュテイン、ロアキュタン)
アメリカを始めとした海外では重症のニキビに対してはイソトレチノイン内服療法が行われています。イソトレチノインはビタミンA誘導体であり、強力な角質調整作用があります。
しかしながら、催奇形性があり、妊婦さんが内服すると非常に危険です。また、イソトレチノイン内服中の患者で自殺が増えるとの論文が発表されています。そのような理由で、日本では認可されていません。日本でイソトレチノインを使用している場合は、無認可薬を個人輸入している可能性があります。

<ニキビの再発を抑制するには?>
ニキビは、適切な治療で軽快はしますが、完全に治ってしまう病気ではありません。特に思春期のニキビについては、ある程度の年齢になるまでは再発を繰り返すものだと考える必要があります。そこで、再発をしないためには、「ニキビができる理由」の逆を行う必要があります。つまり、「過度の精神的なストレス」を避け、「不規則な食生活」を避け、「睡眠不足」にならないように心掛け、「便秘」しないように注意し、「紫外線」を避けて、適切な遮光を心掛け、「適切なスキンケア」を行うことです。また、皮脂腺の活動を抑制してくれる、VitB2,B6、VitCの内服や漢方薬の内服も有効なことがあります。さらに、アダバレンや過酸化ベンゾイルなどを予防的に使っていくことも大切です。
<ニキビとよく似た病気>
見た目はニキビとよく似た病気もあります。皮膚科専門医の眼で正しく診断してもらうことが重要です。 好酸球性膿疱性毛嚢炎、顔面播種状粟粒性狼瘡、酒さ、ステロイド酒さ、SLE、脂漏性湿疹などは見た目だけではニキビと区別ができない場合も少なくありません。また、その診断には採血検査や皮膚の病理学的検査が必要になる場合があります。


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