病因:Malasseziaといわれる真菌(カビ)の感染症です。マラセッチアはヒトの皮膚には必ず存在する常在菌ですが、毛穴の中で増殖すると炎症を起こして毛嚢炎を起こします。臨床的にはニキビ(細菌感染症)とよく似ていますが、治療法が全く違いますので、鑑別が重要になります。 臨床:梅雨時から夏場にかけて増える長径2〜3mmの毛孔一致性の紅斑・丘疹で、時には小膿疱を伴います。多くは無症状ですが、痒みや痛みを伴うこともあります。背中や胸に好発しますが、汗が多かったりすると首にできたりする場合もあります。 診断:KOH直接鏡検法にてカビ胞子(丸くて薄青く染まります、下図)を確認することで確定診断しますが、殆どの場合には鏡検検査にてカビの証明ができません。従って、見た目(臨床)だけで診断する場合が多いです。 治療:軽症の場合には、抗真菌剤の外用(1〜2回/日)にて治療しますが、深くまでカビが侵入して膿疱を作るようになったものは、抗真菌剤の内服(イトラコナゾール)を行わないと治らない場合があります。また、抗真菌剤が入ったボディソープ(上図)が販売されており、それが有効な場合もあります。 予防:汗をかいたら、速やかにシャワーなどを浴びて皮膚を清潔に保つように心がけます。 |