顔は普段露出しているために、外界からの様々な刺激を受けます。特に、紫外線は皮膚の老 化や多くの皮膚病の発生に関係していることが多いため、顔には多くの種類の腫瘍が発生し ます。その大部分は良性腫瘍ですが、一部には悪性腫瘍や将来的に悪性腫瘍に進行する可能 性が高い物(前がん状態)もあります。 1.稗粒腫 2.脂腺増殖症 3.汗管腫 4.脂漏性角化症(別項参照) 5.尋常性疣贅 6.石灰化上皮腫(別項参照) 7.粉瘤(別項参照) 8.老人性血管腫 9.Fibrous papules of the face 10.日光角化症(別項参照) 11.基底細胞がん(別項参照) 12.有棘細胞がん(別項参照) 13.悪性黒色腫(別項参照) |
顔によくみられるシミ |
1.老人性色素斑(しみ) 2.雀卵斑(そばかす) 3.肝斑 4.Lichen planus like keratosis |
顔にみられる赤み(紅斑) |
1.接触皮膚炎(化粧かぶれ) 2.尋常性ざ瘡(にきび) 3.アトピー性皮膚炎 4.LMDF 5.SLE 6.酒さ 7.大藤病 |
1.稗粒腫(Milim) |
【病因】基本的には原因不明ですが、遺伝的にできやすいヒトがいます。 皮膚に嚢腫(ふくろ)ができた状態で、内部に角化物質(ふけ)が溜ま っています。ステロイドを顔に塗った後や、火傷の跡、キズの後に生じることもあります。 【臨床】顔面にできやすく、多発するのが一般的です。 【診断】ほとんどは、視診だけで診断できますが、ダーモスコピーにて観察すると、より確実になります。 【治療】 @放置:気にならなければ、治療する必要はありません。 A内容圧出:腫瘤の一部を注射針で刺して、内容物を押し出すと一旦はきれいになりますが、再発する可能性があります。 【予防】皮膚を傷つけない様に、擦らないように注意します。 |
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2.脂腺増殖症(Sebaceous hyperplasia) |
【病因】毛嚢に付属する皮脂腺が増殖した状態です。基本的には加齢によりますが、脂性肌の人(男性に起こりやすい)が発症しやすいとされます。ただし、副腎皮質ホルモンや免疫抑制剤を内服した場合に起こることもあります。 【臨床】2〜6mm程度の丘疹で、中央部はやや陥没し、黄色調を呈します。 ダーモスコピーで観察すると、特徴的な血管の走行(Crown vessels)がみられます。 【治療】基本的には治療の必要はありません。冷凍凝固や炭酸ガスレーザー(保険外)による治療が行われる場合があります。平坦にはなりますが、色素沈着を残すこともあります。 |
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3.汗管腫(Syringoma) |
【病因】原因は不明ですが、遺伝的な要因が疑われています。汗腺(エクリン汗腺)が増殖した小腫瘤で、女性に多く、多発するのが特徴です。 【臨床】顔面、特に下眼瞼に多発する1〜2mm程度の小腫瘤です。 【治療】良性腫瘍であり、特に治療の必要はありません。汗腺の増殖は、皮膚の表面ではなく、やや深いところにも及ぶので冷凍凝固は基本的に効果がありません。レーザー治療が行われることが多いですが、保険適応外の美容的な治療になります。 |
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4.脂漏性角化症(別項参照) |
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5.尋常性疣贅 |
HPV(ヒト乳頭腫ウイルス)の感染による腫瘤であり、顔面だけでなく、全身に発生する可能性がある。顔には尋常性疣贅や扁平疣贅などが発生することが多い。冷凍凝固法やレーザー治療の適応である。 |
6.石灰化上皮腫(別項参照) |
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7.粉瘤(別項参照) |
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8.(老人性)血管腫 |
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9.Fibrous papules of the face |
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10.日光角化症(別項参照) |
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11.基底細胞がん(別項参照) |
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12.有棘細胞がん(別項参照) |
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13.悪性黒色腫(別項参照) |
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■ 顔によくみられるシミ |
1.老人性色素斑(しみ) |
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2.雀卵斑(そばかす) |
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3.肝斑 |
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4.扁平苔癬様角化症(Lichen planus like keratosis) |
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■ 顔にみられる赤み(紅斑) |
1.接触皮膚炎(化粧かぶれ) |
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2.尋常性ざ瘡(にきび) |
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3.アトピー性皮膚炎 |
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4.LMDF |
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5.SLE |
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6.酒さ |
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7.大藤病 |
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