熊本市中央区の皮膚科 水前寺皮フ科医院 【皮膚科・形成外科・アレルギー科・皮膚腫瘍科・性感染症内科】

貨幣状湿疹、うっ滞性皮膚炎、静脈瘤

貨幣状湿疹


病因:ほとんどの場合は病因は不明ですが、冬に多い病気であり、皮膚の乾燥が関与すると予想されます。また、虫刺されなどをきっかけとして引っ搔くことで湿疹が長期間続くことも要因の1Century;mso-hansi-font-family:Century">つと考えられます。年をとると皮膚の油(皮脂)が出にくくなり、皮膚は乾燥しやすくなります(乾燥肌)。特に、ストーブやエアコンなどを使用すると皮膚の乾燥はひどくなります。皮膚の乾燥が続くことで痒みが続き、やがて治りにくい湿疹がでるようになります。


臨床:直径1cm程度の円盤状(コイン大)の紅斑および落屑を認め、時には痂疲の付着を認めます。周囲には色素沈着や紫斑を合併する場合もあります。痒みが強く、四肢、特に下腿に起こりやすいのが特徴です。




治療:変部については、ステロイド外用を行い、症状に応じてかゆみ止めの内服を併用します。掻く行為が続く限り症状は落ち着きません。乾燥性湿疹を合併する場合には適宜、保湿剤を併用します。


 


うっ滞性皮膚炎


病因:皮膚表面の血流が滞り、皮膚に慢性的な炎症を起こした状態です。深部静脈血栓症や静脈弁不全、静脈瘤などによって深部静脈の流れが悪くなり、その影響で、表在性静脈の静脈圧も上がることで皮膚の炎症を起こします。慢性的なうっ滞性皮膚炎の場合には時に皮膚潰瘍を形成することもあります。


 臨床:下腿に好発し、むくみ(浮腫)や静脈瘤が合併することが多い。紅斑、落屑、色素沈着などを起こし、しばしば下腿潰瘍を合併します。



治療:皮膚の炎症については、ステロイドや保湿剤の外用を行いますが、静脈の血流不全が強い場合には、圧迫包帯や男性ストッキングなどの治療、手術による静脈瘤の改善が必要になります。


 


硬化性脂肪織炎


病因:うっ滞性皮膚炎が慢性化して皮膚及び脂肪織が硬くなった状態です。膠原病など全身疾患に伴って起こることがありますが、大部分は糖尿病や高脂血症などの合併症があります。


臨床:下腿伸側を中心に、皮膚の浮腫、紅斑および色素沈着を主体とし、表面は硬くなり、弾力が無くなる。圧痛がある場合もあるが、大部分は軽い痒みのみを訴える。



治療:うっ滞性皮膚炎と同様


 


静脈瘤


病態:下肢の静脈は皮膚表面にある表在静脈と筋肉の間を動脈と並行して走る深部静脈があります。その間はバイパスでつながっており、皮膚の表面の静脈血は表在静脈→バイパス→深部静脈と流れて、鼠径部から大静脈へと流れていきます。その途中で、静脈が詰まると皮膚の静脈血は心臓に戻れなくて皮膚表面に溜まってしまい、結果として静脈圧が上がり、膨れてきます。これが静脈瘤です。血管が詰まる原因として、静脈の弁不全や血栓、塞栓などいろいろな病態があります。ただし、多くの場合には糖尿病や高コレステロールなどによる血管や静脈弁の劣化(老化)によって静脈が詰まります。静脈瘤には詰まっている静脈の部位や程度によって色々な臨床があります。


また、下肢静脈瘤がある場合には周囲の皮膚にはうっ滞性皮膚炎や貨幣状湿疹、皮脂欠乏性皮膚炎などの色々な皮膚病が合併します。


 


治療:重症の静脈瘤には手術などの根本的な治療が必要ですが、軽症の場合は、男性ストッキングや男性包帯などで軽減する場合もあります。ただ、皮膚病については、ステロイドや保湿剤の外用と抗アレルギー剤の内服などの対症療法が主体となります。


 


 



水前寺皮フ科医院
〒862-0950 熊本県熊本市中央区水前寺5-15-8
096-382-4551

Copyright (c) Suizenji Dermatology All Rights Reserved.