<女性の薄毛・脱毛> | |
薄毛、脱毛には円形脱毛などの病的脱毛と加齢に伴った壮年期脱毛があります。男性の場合には男性ホルモン(アンドロゲン)が関与する壮年期脱毛(AGA)が有名ですが、女性の脱毛では原因不明の場合がほとんどです。ただし、一部には膠原病や甲状腺疾患に伴って脱毛が起こることがありますので、急激に拡大する脱毛については、採血などの検査が必要です。 | |
女性の薄毛:更年期(45歳以降)になると女性ホルモンが減少することによる様々な体の変化が起こります。薄毛・脱毛もその一つです。その場合には女性ホルモンの補充にて改善することもあります。コラージュフルフル育毛スプレーは、女性ホルモン(エチニルエストラジオール)が配合された育毛剤です。更年期以降の女性の薄毛に効果的です。内服薬とは異なり、副作用も少なく使いやすい外用剤です。 | |
また、頭皮のトラブルや生活の乱れ、喫煙、アルコール大量摂取なども薄毛の原因となります。毛髪は毛嚢といわれる袋に入っていますが、その最下層の毛乳頭の部分で毛髪が作られます。この毛乳頭部の栄養や酸素不足(血流不全)によって毛髪は成長が妨げられます。 | |
毛乳頭の組織像、電顕像、シェーマ | |
1%ミノキシジル ミノキシジルの作用 血管拡張作用:ミノキシジルは、その血管拡張作用により高血圧薬として開発されました。頭皮の血管が拡張して血流が増えることで毛乳頭部の活性化が起こります。 毛母細胞活性化:頭髪の基となる毛母細胞を直接活性化する作用が確認されています。この血管拡張作用と毛母細胞活性化作用によって増毛効果があることが分かっています。 副作用:内服では浮動性めまい、頭痛、動機、血圧低下などがありますが、外用剤による副作用はほとんどありません。 日本では1%ミノキシジルは1999年にリアップ®として発売され、2005年に女性用、2009年に5%ミノキシジル、リアップX5が発売されています。2018年よりジェネリックが登場し、2021年より女性用ジェネリックも発売されています。 |
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<毛髪の成分> | |
毛髪は蛋白、メラニン、水分などで構成されますが、90%以上はケラチン蛋白で出来ています。ケラチンは18種類のアミノ酸が結合してできたタンパク質ですが、最も多く含まれるアミノ酸はシスチンとグルタミン酸です。 | |
<パントガールとは> | |
パントガールは2009年にヨーロッパで承認された世界初の女性用薄毛治療薬で、その効果が検証された唯一の内服薬です。毛髪の主成分であるケラチンやアミノ酸、ビタミンB群などを含んでいます。 | |
<パントガールの成分> | |
・D-パントテン酸カルシウム 60mg:糖質、脂質、タンパク質の代謝に関わり、皮膚のターンオーバーや毛髪のヘアサイクルを調整します。 ・L-シスチン 20mg:ケラチンを構成するなかで、最も含有量の多いアミノ酸。 ・ビタミンB1 60mg:糖代謝を促進し、免疫機能や血液循環に関わっている。 ・薬用酵母(Vigar-yeast) 100mg:ビタミンやアミノ酸、ミネラルなど髪の合成に必要な栄養素を豊富に含みます。 ・ケラチン 20mg:毛髪や爪の主成分タンパク質 ・パラアミノ安息香酸:20mg:白髪予防効果があります。葉酸を作り出すのに必要で、皮膚のターンオーバーを調整します。 |
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<パントガールの効果> | |
製造元のMerz社の臨床試験では、3カ月間の使用で70%の女性の抜け毛が減少、20%の女性は抜け毛がほとんどない状態まで改善したとされています(1,2)。また、毛髪同様ケラチンを多く含む爪の状態も改善することが確認されています(3)。 (1)Petri H, et al. Schweiz Rundsch Med Prax 1990:79:1457-62. (2)Budde J,et al. Hautarzt 1993;44:380-384. (3)Oh SJ, et al. Ann Dermatol 2017;29:608-613 |
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<パントガールの副作用> | |
含まれる各種成分に対する過敏症がなければ副作用はありません。世界30ヶ国以上で使用されていますが、大きな副作用報告はありません。 | |
<パントガールの服用量・値段> | |
1日3カプセル、食後に服用します。飲み忘れても2カプセルを1度に服用しないでください。毛髪は1月で1cm程度しか伸びませんので、効果を確認するには最低限3カ月の服用が必要です。 | |